フッボルとはスペイン語でサッカーのことで、綴りは Fútbol。スペインにサッカーを伝えたのはサッカー発祥の地イギリスなので、フットボールをスペイン語読みにしたフッボルと呼ばれている。ちなみに日本で使われている「サッカー」は、サッカーの正式名称である Association football の Soc に -er を付けた造語で、サッカーを使っている国はアメリカやオーストラリアやカナダ（いずれもサッカー後進国！)くらいだ。
サッカーファンならご存知の事と思うが、スペインはサッカー大国である。2010年にはスペイン代表は悲願のワールドカップに優勝し、レアル・マドリーとバルセロナは言うまでもなく、幾度も栄光を手に入れている、世界が羨むメガクラブである。
だがしかし、80年代のスペインのサッカーは、栄光から程遠い時代であった。レアルマドリーはヨーロッパのナンバーワンクラブを決めるチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)に優勝したのは1966年が最後で、FCバルセロナに至っては1992年に初めてチャンピオンズカップに優勝するまで、ヨーロッパチャンピオンになった事がない時代であった。スペイン代表に至っては、世界チャンピオンどころか、ヨーロッパチャンピオンを決めるユーロに優勝したこともなかった。
このような不遇な、決して強くはない時代にあっても、スペイン人はサッカーがめちゃくちゃ上手かった。休み時間に校庭で生徒達は時々サッカーをやっていた。私がサッカーコートの近くをボヤッと歩いていたら、誰かが打ったシュートがモロに頭に当たり、文字通り吹っ飛んだ。視界はマンガのように星でいっぱいになり、何が起きたのか分からなかった。
この出来事があったからかではないと思うが、私はスペインの小学校でサッカーで遊んだことがない。興味がなかったこともあるが、レベルが高すぎてスペイン人と一緒にサッカーをする気も起こらなかった。サッカーに興味を持ったきっかけは、意外にも日本が誇るアニメ、「キャプテン翼」である。スペインでも大流行し、テレビアニメが放送され、偽物っぽいマンガも売り出されて夢中で読んだ。「キャプテン翼」の影響を受けてから少しずつサッカーをするようになった。思い出してみると、スペインでサッカーしたのはボーイスカウトと近所の子供達との2回くらいである。
そんなサッカーとは無縁な私であったが、サッカーは一番好きなスポーツになり、ようやくサッカーを始めたのは高校1年生になった時である。現在は横浜F・マリノスとレアル・マドリーを応援している。