絵とカブとスペインと

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趣味で描いている絵や愛車のリトルカブ、スペインの事などを載せている個人のサイトです。

あの頃

No.15 スペインの学食と日本の学校給食

  • anokoro15-01
  • anokoro15-02

スペインの学校はお昼休みが大変長く、12:30〜15:30 まで3時間もあった。生徒達は一旦帰宅してもよく、また学校に残って学食で昼食を摂り、残りの時間を自由に過ごすことができた。私は姉と共に学校に残った。
学食は日本の大学の学食や社食と同じで、トレーと食器を取って列に並び、食堂の配膳係の大人が配膳してくれる。食事は特段美味しかった思い出はないが、スープが美味しかったのは覚えている。例えば 2センチほどの短い麺が入った Sopa de fideos(フィデオスープ)、レンズ豆を煮込んだ lentejas(レンテハス)やひよこ豆のスープの garbanzos(ガルバンソス)が好きだった。
日本に帰国し、小学校に編入して驚いたことの一つは学校給食だ。教室に料理が大きな鍋などに運び込まれ、給食当番の同級生が同じ同級生に配膳する。大人からもらうのを当たり前と思っていた身としてはとても驚いた。小学生の子供が給食エプロンを着て、拙い手付きでご飯を適量に分けて配り、最後に自分の分を取る。初めて給食エプロンを着たときは、三角巾が女の子みたいで恥ずかしかったのを覚えている。
また、給食の献立表が丁寧にかわいく作られていることにも驚いた。ところどころにかわいいイラストが添えてあり、いかにも「心を込めて作りました」という感じで、給食を作ってくれる人達や食事そのものに感謝して食べなければ申し訳ない気がした。
成人してから時々外国人と接する機会があるが、魚や野菜が食べれられない等、食べ物の好き嫌いがある人がけっこう多い。もちろん、日本人にも好き嫌いのある人はいるが、私の接した外国人の方が確率が高い。なぜなのだろうかと考えてみると、幼少の頃の学校給食の違いなのではないかという結論に至った。なんでも真面目に考えてしまう日本人らしく、日本の学校給食は「食育」と考えているのだろう。逆に、外国では食事は単に食事に過ぎないという思想の違いなのだろうか。
昨今では日本の学校の問題が取り沙汰されることが多いが、日本の学校給食制度はとても良いと思う。今回はスペインと日本の学校給食の違いから、食事に対する思想の違いまで発展して考えてみた。

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No.15 スペインの学食と日本の学校給食

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  • スペインの学校はお昼休みが大変長く、12:30〜15:30 まで3時間もあった。生徒達は一旦帰宅してもよく、また学校に残って学食で昼食を摂り、残りの時間を自由に過ごすことができた。私は姉と共に学校に残った。
    学食は日本の大学の学食や社食と同じで、トレーと食器を取って列に並び、食堂の配膳係の大人が配膳してくれる。食事は特段美味しかった思い出はないが、スープが美味しかったのは覚えている。例えば 2センチほどの短い麺が入った Sopa de fideos(フィデオスープ)、レンズ豆を煮込んだ lentejas(レンテハス)やひよこ豆のスープの garbanzos(ガルバンソス)が好きだった。
    日本に帰国し、小学校に編入して驚いたことの一つは学校給食だ。教室に料理が大きな鍋などに運び込まれ、給食当番の同級生が同じ同級生に配膳する。大人からもらうのを当たり前と思っていた身としてはとても驚いた。小学生の子供が給食エプロンを着て、拙い手付きでご飯を適量に分けて配り、最後に自分の分を取る。初めて給食エプロンを着たときは、三角巾が女の子みたいで恥ずかしかったのを覚えている。
    また、給食の献立表が丁寧にかわいく作られていることにも驚いた。ところどころにかわいいイラストが添えてあり、いかにも「心を込めて作りました」という感じで、給食を作ってくれる人達や食事そのものに感謝して食べなければ申し訳ない気がした。
    成人してから時々外国人と接する機会があるが、魚や野菜が食べれられない等、食べ物の好き嫌いがある人がけっこう多い。もちろん、日本人にも好き嫌いのある人はいるが、私の接した外国人の方が確率が高い。なぜなのだろうかと考えてみると、幼少の頃の学校給食の違いなのではないかという結論に至った。なんでも真面目に考えてしまう日本人らしく、日本の学校給食は「食育」と考えているのだろう。逆に、外国では食事は単に食事に過ぎないという思想の違いなのだろうか。
    昨今では日本の学校の問題が取り沙汰されることが多いが、日本の学校給食制度はとても良いと思う。今回はスペインと日本の学校給食の違いから、食事に対する思想の違いまで発展して考えてみた。

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